
「レンタルスペース 危ない」
この言葉で検索されている方が、たくさんいらっしゃいます。
私たちはレンタルスペースを運営している側です。自分たちの業界がそう検索されていることを、知っています。
正直、気持ちのいい話ではありません。
ただ、なかったことにするのも違うと思いました。
このシリーズでは、実際に何が心配されているのかを整理して、運営者として答えられることを書きます。全5回です。
まず、正直な感想から
「レンタルスペースが危ない」と言われていることについて、どう思っているか。
ちゃんと事業としてしっかり運営していないレンタルスペース事業者が存在するから、こういう話になるのではないかと思います。
これは、業界の内側にいるから分かることです。庇うつもりはありません。
ただ、同時にこうも思っています。
危ないと言われている事業者は一部であり、ほとんどは真面目にしっかりやっています。
そして、こう言われてしまう以上、私たちはより安心してご利用いただける環境を、常にバージョンアップして提供していく必要があると考えています。
「一部の業者のせいだ」で終わらせる話ではありません。言われている側の責任として、引き受けるべきことだと思っています。
実際に、何が心配されているのか
検索結果を見ると、心配されていることはおおむね4つに集約されます。
- プライバシー — 隠しカメラや盗撮
- 悪質な詐欺 — 実態のないスペースでお金だけ取られる
- 高額請求 — 思っていたより高い金額を請求される
- 騒音トラブル — 近隣からの苦情、強制退去
どれも、聞けば不安になる内容です。
ただし、4つは「同じ重さ」ではありません
ここが、このシリーズで一番お伝えしたいことです。
全部を等しく警戒すると、かえって判断ができなくなります。
運営している立場から見ると、起こりやすさがまったく違います。
悪質な詐欺は、稀だと思います
実態のないスペースでお金だけ騙し取られる。いわゆる「幽霊スペース」です。
正直に言えば、これは稀ではないかと思います。
まったくないとは言いません。ただ、確率としては低い。そして、確かめる方法があります。(第5回で書きます)
高額請求は、比較的ありそうな話です
一方で、こちらは比較的ありそうな話だと思っています。
ただし、多くの場合は悪意のある請求ではありません。
原因は別のところにあります。これは次回、詳しく書きます。
プライバシーと騒音は、施設によります
カメラの設置方針や、建物の構造によって、状況がまったく変わります。
裏を返せば、確認すれば分かるということでもあります。
「危ないかどうか」を当てる必要はありません
このシリーズを通して、お伝えしたい姿勢がひとつあります。
危ない業者かどうかを見抜こうとしなくて大丈夫です。
そうではなく、調べてから決めればいい。 それだけです。
ネットショッピングと同じです
お客様側としても、瞬発的に予約を入れるのではなく、気に入った、予約してみたいと思う施設があるのであれば、
- 公式サイトを見てみる
- ポータルサイトを見てみる
いろいろなところで情報収集をしたうえで予約をする。
これは、普段ネットショッピングをするときと同じような感覚だと思います。
少し高い買い物をするとき、多くの方は複数のサイトを見ます。公式サイトを確認して、レビューを読んで、価格を比べる。誰でもやっていることです。
レンタルスペースだけ、見つけてそのまま予約してしまいがちなのは、比較する習慣がないからかもしれません。
公式サイトを見ると、分かることがあります
特に、公式サイトを一度見ておくことをおすすめします。
ポータルサイトの掲載情報だけでは分からないことが見えます。
- 運営している会社はどこか
- 他にどんな施設を運営しているか
- 情報が更新されているか
答えを探すというより、雰囲気を見るくらいで構いません。それだけでも、ずいぶん違います。
ポータルサイト経由という選択肢もあります
もうひとつ、正直に書いておきます。
不安が強い方は、ポータルサイト経由で予約するのも確実な方法です。
私たちは自社サイトからのご予約を中心に運営していますので、本来なら書かなくてもいいことかもしれません。ただ、事実としてお伝えしておきます。
料金トラブルが起きにくい
ポータルサイト経由の予約では、料金体系において規定の設定しかできません。
つまり、それ以上の料金を請求できない仕組みになっています。
後から想定外の金額を請求される、ということが起こりにくい。料金の心配が強い方には、ひとつの安心材料になると思います。
幽霊スペースも、まず存在できません
そして、実態のないスペースについても同じです。
利用があれば、ポータルサイトから事業者にお金が振り込まれることになります。
振込先の口座が必要ですし、審査も通らなければなりません。確実に存在する会社でない限り、ポータルサイトには存在できない。 そういった物理的な制約があります。
言い換えると、幽霊スペースが成立するのは、直接振り込ませる場合です。間にポータルが入っていれば、その経路がありません。
ただし、調べにくくなることもあります
一方で、逆の面もあります。
ポータルサイトでは、施設名が出せない場合があります。
直接誘導が規約違反になるため、施設名や運営会社名を掲載できないケースがあるのです。
そうなると、会社の規模などをしっかり調べたいと思う方には、手がなくなってしまいます。
確かめたいなら公式サイト。確かめる手間を省きたいならポータルサイト。
どちらが正解ということではなく、ご自身の不安の性質に合わせて選べばいいと思っています。
このシリーズで書くこと
次回から、4つの不安をひとつずつ扱います。
そしてそれぞれの回に、「予約前に確認できること」を書きます。
運営者が何をしているかを知るだけでは、読んだ方は動けません。ご自身で確かめられる方法まで書いて、はじめて意味があると思っています。
- 第2回|高額請求の正体 — なぜ「高い」と感じるのか。料金の確認の仕方
- 第3回|カメラとプライバシー — 室内にカメラはあるのか。確認の仕方
- 第4回|騒音トラブル — 苦情を受ける側にならないために
- 第5回|実在性と口コミ — 幽霊スペースを避ける。口コミの読み方
最後に
私たちは、レンタルスペースを10年運営してきました。
その間に、良い利用も、困った利用も、たくさん見てきました。
だから書けることがあると思っています。
利用される方の不安が少しでも減って、安心して場所を選べるようになれば、それは私たちの業界にとっても良いことです。
正直に書きます。お付き合いいただければ幸いです。
シリーズ一覧|レンタルスペースは危ない?(全5回)
- #1 運営者が、正直にお答えします(この記事)
- #2 「高額請求」の正体は、たいてい悪意ではありません
- #3 室内にカメラは、置いていません
- #4 騒音トラブルは、音量の問題ではありません
- #5 最終回|幽霊スペースの避け方と、口コミの読み方
運営する側の話も書いています
レンタルスペースを運営・開業される方向けの連載もあります。
【筆者】
レンタルスペースALBE 運営会社 株式会社ファーストクリエイト 代表取締役 鬼頭創一