【レンタルスペースは危ない? #4】騒音トラブルは、音量の問題ではありません

はじめての方へ

レンタルスペースの心配ごととして挙がるものに、騒音トラブルがあります。

近隣からの苦情。場合によっては、利用中に止められるという話まで出てきます。

イベントの主催者にとっては、これが一番怖いかもしれません。当日に止められたら、すべてが台無しになります。

今回は、この騒音トラブルが実際にどうして起きるのかを書きます。

結論から言えば、音量の問題ではありません。


実際にあった話|フルートの演奏

聞いたことのある話です。私たちの施設ではありません。

あるお客様が、会議室を予約されました。

そして、そこでフルートの演奏をする予定だと、スペースのオーナーに話をしました。

すると、オーナーからこう言われたそうです。

「それは他の部屋にとって騒音になるので、予約をキャンセルしたい」

そのお客様は、結果として私たちのスペースへ利用を変更されました。


どちらも、悪くありません

この話の要点は、どちらも間違っていないということです。

主催者の側から見ると

ご本人にとって、フルートはそれほど大きな音でもありません。

騒音ではなく、音楽を静かに聴いてもらう。 そんなイベントだったのかもしれません。

施設の側から見ると

ところが、受け入れる側のスペースとしては、近隣のスペースのことも考えなければなりません。

演奏イコール騒音というような認識で捉える。

そうすると、話が全然変わってきます。

ずれているのは、認識です

主催者にとっては大きな音ではないと認識していても、スペース側にとっては大きな音だと認識してしまう。

そんなことが、あり得ます。

悪意はどこにもありません。 それでも、予約が取り消されます。


音楽だけが、騒音ではありません

ここで、見落とされやすいことをお伝えします。

騒音は、楽器や音楽だけではありません。

これらも、騒音のひとつになり得ます。

楽器や音響設備を使うなら、「音が出る」と自覚できます。ところが、話し声や足音は、出している側に自覚がありません。

たとえば、お子さん連れの集まり。主催者にとっては、音を出している感覚はまったくないと思います。それでも、階下には響きます。

「うちは音楽をやらないから大丈夫」とは言い切れない、ということです。


実は、施設の構造でほぼ決まります

ここからが、今回で一番お伝えしたいことです。

騒音トラブルが起きるかどうかは、利用される方が気をつけるより先に、施設の構造でほぼ決まります。

隣に別のテナントがあれば、音は伝わります。上下の階に事務所があれば、足音は響きます。

どれだけ気をつけても、限界があります。

私たちは、物件を選ぶ段階で対処しています

レンタルスペースALBEでは、基本的にワンフロアに1スペースが望ましいと思っています。

そのため、ほとんどの施設では、隣のスペースに干渉することがない環境を意識して物件選びをしています。

これは運用の工夫ではありません。借りる建物を決める段階での判断です。

利用される方にとっての意味

この方針は、利用される方から見ると二重の意味を持ちます。

騒音の不安には、この両方があると思っています。


音が出る利用は、先に伺います

もうひとつ、私たちがやっていることがあります。

音が発生する場合、お客様に詳しくお伺いします。

たとえば楽器を持ち込まれるという話であれば、次のようなことを聞きます。

そのうえで、きちんとお返事をするようにしています。

時間帯まで聞く理由

楽器の種類だけでは判断できません。

同じ音でも、昼と夜では周囲への影響がまったく違います。

平日の日中であれば問題なくても、夜間や日曜の朝なら話が変わる建物もあります。だから、時間帯まで含めて確認します。

断られるなら、早いほうがいい

これは、お客様にとっても意味があります。

予約が取れた=使える、とは限りません。

先ほどのフルートの話のように、後からキャンセルを求められることがあります。そうなると、予定が崩れます。

予約前に判断できれば、別の施設を探す時間があります。

だから私たちは、先に聞きます。受けられないなら、その場でお伝えします。


では、注意されるのはどんなときか

参考までに、私たちが実際に注意する場面を書いておきます。

音量そのもので注意することは、ほとんどありません。

注意するのは、次のような場合です。

お気づきでしょうか。

どれも、音の話ではありません。約束の話です。

つまり、こういうことです

真っ当に使っていれば、音で止められることはまずありません。

気をつけるべきなのは、音量を抑えることではなく、最初に用途を正確に伝えること。 そして時間を守ることです。


予約前に、確認できること

ご自身で確かめられることを書きます。

1. 何をするのかを、正確に伝える

これが一番大事です。

「会議で使います」ではなく、「10人で会議をして、途中で15分ほど音楽を流します」まで伝えてください。

細かく伝えるほど、後でトラブルになりません。

音を伴う利用であれば、先ほど私たちが聞いている3点を、最初から添えておくとスムーズです。

伝えた結果として断られたなら、それは幸運です。 当日に止められるより、はるかにいい。

2. 隣や上下に何があるかを聞く

「隣は何が入っていますか」

これは聞いていい質問です。事務所なのか、住居なのか、別のスペースなのか。それによって、気をつけるべきことが変わります。

3. 音に関する制限を確認する

何時まで音を出していいのか。 楽器は可能か。音響設備を持ち込めるか。

施設によって、まったく違います。

4. 時間の考え方を確認する

利用時間に、準備と片付けは含まれているか。

ここを勘違いすると、時間を超過します。 そして時間の超過は、実際に注意される原因になります。


まとめ

騒音トラブルについて、整理します。

そして、利用される方にできる一番効果的なことは、何をするのかを正確に伝えることです。

隠す必要はありません。伝えたうえで受けてくれる施設を選べば、当日に困ることはありません。


次回|最終回

次回で、このシリーズは最終回です。

実在しないスペースと、口コミの読み方について書きます。

いわゆる「幽霊スペース」は、稀だと思っています。ただし、確かめる方法はあります。

そして、運営している側から見た口コミの読み方も書きます。星の数だけでは分からないことがあります。


シリーズ一覧|レンタルスペースは危ない?(全5回)

運営する側の話も書いています

レンタルスペースを運営・開業される方向けの連載もあります。


【筆者】

レンタルスペースALBE 運営会社 株式会社ファーストクリエイト 代表取締役 鬼頭創一

関連記事