【レンタルスペースの始め方 #11】一人で5スペース。ただし休みはありません

事業者の方へ

レンタルスペースを始めようとするとき、気になることのひとつが人手だと思います。

副業で始めるなら、本業と両立できるのか。専業でやるなら、どこまで一人で持てるのか。

結論から書きます。

レンタルスペース事業は、かなり一人で回せる商売です。

ただし、条件と代償があります。今回はそこを正直に書きます。


なぜ、一人で回せるのか

理由は、事業の構造にあります。

仕入れや調理などの作業が、ほとんどありません。

飲食店なら、毎日の仕入れがあります。原価を管理し、在庫を数え、仕込みをする。営業中は調理があります。

レンタルスペースには、それがありません。

だから、清掃や管理に集中することができます。 結果として、それほど時間がかからないというメリットがあります。


規模の目安

保有しているスペースの種類や広さによって変わりますが、目安を書きます。

副業から始めるなら、1スペース

副業からスタートするのであれば、1つのスペースだと思います。

本業がある状態で、清掃と問い合わせ対応と集客を回す。1つなら十分に可能です。

専業なら、数か所

専業でやっていくのであれば、無人運営の仕組みを導入して数か所は可能だと思います。

ここで大事なのが、無人化です。

私たちの場合

具体的に書きます。レンタルスペースALBEで言えば、

このあたりまでは一人で回せます。

これ以上になると、アルバイトさんの助けが必要になります。


ただし、休みはありません

ここは正直に書いておきます。

これだけのスペースを回して、販促もして、クオリティも維持するには、休みはないと思ってください。

清掃は毎日発生します。問い合わせは土日も来ます。トラブルは時間を選びません。

「一人で回せる」は、「楽に回せる」という意味ではありません。

一人で持てる限界まで持つと、そこから先は自分の時間で埋めることになります。

これから始める方には、どこまでを一人でやるかを先に決めておくことをおすすめします。


10年前より、はるかに有利です

とはいえ、状況は良くなっています。

今はスマートロックなどで無人化もしやすくなりました。 そういった意味では、10年前と比較して有利です。

システムを使えば、ほぼ手離れします

予約から決済まで自動にできます。

問い合わせに個別で返して、空き状況を確認して、振込を確認して、当日の解錠方法を案内する。この一連の作業が、仕組みで処理できます。

そうすると、現地に残るのは清掃と備品管理くらいです。

10年前は、ここに人が張り付いていました。その分の労力が、まるごと浮いています。

無人運営の仕組みについては、このシリーズの最終回でもう少し詳しく書きます。


人を入れたら、何を任せるか

スペースが増えて、人を入れる段階になったときの話です。

私たちのスタッフは、ほとんどアルバイトです。 紹介で入ってもらった主婦の方が中心です。

清掃を任せ、自分は前に出ます

清掃などの業務はアルバイトさんに任せて、自分は販促や新たなスペースの開発などに意識を向けます。

ここは、はっきり分けています。

現場の作業は任せられます。しかし、次の一手を考えるのは自分の仕事です。 そして、そこに時間を使わないと事業は伸びません。

清掃の外注は、ほとんど不要です

なお、清掃業者への外注は、ほとんど必要ないと思っています。

年に数回、業者さんに入ってもらってしっかり清掃してもらう。 それ以外は、ほとんど自社メンバーで回せています。


ただし、自分も現場に入ります

任せると書きましたが、完全に手を引くわけではありません。

時にはプレイヤーとしても動いたり、柔軟にしています。

理由があります。

ホテルには「インスペクター」という仕事があります

私は前職がホテルマンで、客室清掃課に2年半いました。

そこには、インスペクターという仕事があります。

メイドさんが清掃した部屋をチェックして、クオリティを維持する仕事です。

掃除をする人とは別に、見る人がいる。それが品質の担保になっていました。

同じことを、自分でやります

私たちも同じです。

定期的に清掃に入り、クオリティを維持します。

自分で手を動かすと、分かることがあります。この部屋はどこが汚れやすいのか。基準どおりに仕上がっているか。伝えたことが伝わっているか。

報告を聞くだけでは分かりません。

基準を渡すだけでは、足りません

私たちは、清掃の基準を「前の利用者の痕跡を残さない」という一言で共有しています。

「きれいにしてください」では、人によって基準が違ってしまうからです。

ただ、基準を渡すだけでは足りません。

渡した基準が守られているかを、自分で見る。 そこまでやって、ようやく品質が保てます。


まとめ

1. レンタルスペースは、かなり一人で回せる

仕入れも調理もないので、清掃と管理に集中できます。

2. 副業なら1スペース。専業+無人化なら数か所

私たちの場合は、5スペースまでが一人の限界でした。

3. ただし、休みはない

「回せる」は「楽に回せる」ではありません。

4. 10年前よりはるかに有利

スマートロックと予約システムで、現地に残るのは清掃と備品管理だけになりました。

5. 任せても、自分で見る

清掃は任せる。ただし定期的に自分で入って、基準が守られているかを確認する。


次回

次回は、利用規約と、保険・事故の話を書きます。

規約は開業時に作って、そのまま10年使っている事業者が多いと思います。

私たちは、定期的に見直すことをおすすめします。 理由があります。

悪意を持って使おうとする人ほど、規約をよく読んでいるからです。


シリーズ一覧|レンタルスペースの始め方(全13回)

あわせて読みたい|選ばれるレンタルスペースの作り方

すでに運営されている方向けの連載です。料金、写真、集客、清掃、リピーターまで全10回。


【筆者】

レンタルスペースALBE 運営会社 株式会社ファーストクリエイト 代表取締役 鬼頭創一

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